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ИСТИНА ПсковГУ |
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終戦から⼋〇年を迎えた現代において、被爆体験を持たない戦後世代がいかに原爆を語りうるのかを議論するにあたり、⻘来有⼀の『爆⼼』(⽂藝春秋、⼆〇〇六年⼀⼀⽉)は、決して⾒過ごすことのできない作品である。『爆⼼』は、⻑崎の爆⼼地・浦上を舞台とする物語六篇から成り、第⼀⼋回伊藤整⽂学賞および第四三回⾕崎潤⼀郎賞を受賞するなど、⾼い評価を受けた作品である。戦後の浦上で⽣まれ育った⻘来は、その⼟地に焦点を当て、⾮体験者として原爆の記憶をキリシタン弾圧と現代とを結びつけるフィクションに取り組んでいる、独特な作家であるといっても過⾔ではない。そのような⻘来において、『爆⼼』の特殊性は、家族関係や⽣活環境、さらには原爆との関わりの程度が異なる登場⼈物たちの⽇常を描きつつ、その⼟地に潜む悲惨な記憶の痕跡と彼らを向き合わせる瞬間を軸に各短編が展開され、キリシタン迫害や原爆の記憶を現代の時空に呼び起こす点にある。 以上を踏まえて、本発表では、作中に描かれる浦上の空間が、各短編の象徴的要素によってどのように織り合わされ、またそれがキリシタン弾圧と原爆の記憶をいかに結びつけて想起させるのかという点に着⽬し、証⾔に依拠しないかたちでの記憶の継承と語りの可能性を考察する。そのためにまず、作中における浦上という空間を象徴する「釘」「⽯」「⾍」「蜜」「⾙」「⿃」という各短編の題名に込められたイメージが、作品全体の統⼀性を形づくりながら、⾔語化されていない記憶の継承の鍵としてどのように機能しているのかを読み解く。さらに、作中に構築される浦上の⾵景が、登場⼈物の⼼の揺らぎの瞬間を通して、悲惨な記憶を結びつける時空間として⽴ち現れ、「爆⼼地」の体験をいかに具体化するのかを検討する。最終的に、「場所」が共同的な想起や記憶の共有・継承を促す要素として、作品内にいかにして体験性を⽣起させるのかという点について結論付ける。